あらすじ

 2012年、夏。謎の犯罪組織「マヤ同盟」による連続テロ事件により、世界は混乱の時代を迎えようとしていた。彼らは、マヤ文明の残した「5つの太陽の伝説」という預言が示す通り、2012年12月に世界を滅亡させ、自分たちの“新世界”を作ろうとしている組織である。そして「マヤ同盟」が次なる標的に選んだのは、とある一つの中学校だった。
 想像を絶する物語が、今始まる・・・。 

作品解説

 テロリストと中学生の戦い!中二病爆発(中三だけど)!!堤真矢の処女作にして最も壮大な作品です。こんな作品をわざわざサイトに載せているのは、これこそが原点だと、今でも思っているからです。

 中学校の文化祭で、生徒会長の権力を濫用し、「映画を作りたいです」と言って制作した映画。全校から集まったスタッフ30人、出演者20人の総勢50人近いメンバーで毎晩夏休みの校舎で撮影して、撮影が終わると職員室で先生が手作りおにぎりを作って待っている(今思えば先生が香盤も作ってくれていた)…本当に、楽しい時間でした。

 制作は2001年の夏だったのですが、撮影中奇しくもアメリカではあの同時多発テロが発生。絵空事だった世界が一気に現実味を帯びて、一同衝撃を受けました。それまで完全に悪ふざけを楽しんでいた僕たちは、「この作品を通して僕らなりに何かを考え、何かを伝えなければいけないのではないか」という意識をもつようになりました。この作品を通して経験したことが、未だに僕を「映画」というものに繋ぎとめている部分はある気がします。

 お世辞にも良くできてるとは言えないけど(文化祭では手ブレで体調を崩す人が続出)、ほとばしるむきだしの情熱とパワーゆえか、僕の一部の友人の間ではカルト的人気を誇っています(笑)。

 中学生一人一人の成長が悪を倒し、世界に一矢報いる…「ひとりひとりが変われば、きっと世界も変えられる」というこの作品のメッセージは、中学生の考えた青臭いものかもしれないけど、いつか大人としてこの作品のテーマとまた向き合うことができたら、それは自分のキャリアにとって一つの終着点になるかもしれないなと、今も思っています。

(2001年/DV/109分)