あらすじ

 弱小学生劇団「劇団ハッピーエンド」は、大学卒業で団員が激減し、いまや残すところ3人だけになってしまった。フリーターになった主宰の佐々木。佐々木に頼まれて残った中川。留年した権田。ある夜、3人は権田の部屋で次回公演の台本の話をするが、佐々木と中川はお互い、自分の作品を上演したいと譲らない。彼らの口論は次第にエスカレートし、2つの物語世界までも巻き込んで思わぬ方向へと向かっていく…。

キャスト

野田慈伸
青木五百厘
田中孝典
保田潤
山谷隼人

スタッフ

監督・脚本:堤真矢
音楽:川尻大輔

作品解説

 東京に来て最初に作った作品です。

 当時重かったり暗かったりという作品が続いていたので、軽い作品を作りたい、という思いがあったことと、この頃から演劇関係の方に知り合いが増え、演劇人の愛らしさとかあほらしさとかが描けたらいいなと思って作った作品でした。

 前作までの複数の時間軸の表現から一歩進めて、「劇中劇」という形で、映画と演劇の融合みたいなことをやりたかったのですが、これは難しい。結果的には映像の面白さと舞台の面白さ、どちらもうまく活かしきれなかった気がします。また、不慣れな劇パートの撮影では本当に勝手がわからず、スタッフの皆さんにお世話になりっぱなしでした。

 かなりの珍作ではありましたが、この作品に出てくる3人は結構好きで、劇中劇の手法もこの作品を作り終えたことで色々ともっとやりたいことが見えてきたので、何らかの形でリベンジしたいとずっと思っていました。
 その思いは、約10年後に大きく形を変えて果たされることになります…。

(2010年/DV/58分)