あらすじ
学生生活の終わりが近づくある日。 ある映画サークルの大学4年生が「最後の思い出」を作るために集まった。
皆で車に乗って、不思議な“昼の流れ星”を観に行くか。
それとも車を出せず、馴染みの近場で適当に遊ぶか。
どちらを選ぶかで彼らの1日は全く違うものになっていく。そして…。
ふたつの時間を行き来する物語が辿りつく結末とは。
「あなたの最後の思い出は、どっち?」
作品解説
学部の卒業研究制作作品。すごく制作環境が整っていた時期で、コンパクトに完成度の高いものを作れたかな、という作品です。
前作『リリ』で時間軸を操作するトリッキーな作風の味をしめてしまい、本作では研究テーマとして「映画の新しい時間表現の可能性」なんていう大風呂敷を広げてしまいました。そして、そこから物語を作っていくというやや倒錯した作り方をしています。それゆえ、ドラマの流れよりも構成上の都合を優先せざるを得なくなる部分がいくつかあって、大変でした。
僕の作品で初めて、コンペに引っかかったのが本作ですが、そこでも、「仕掛けに振り回されている」「頭で作っていて、気持ちが伝わってこない」というような言葉を評価として頂き、自分の映画の作り方の方向性について、考えさせられた作品でもありました。
仕掛けは仕掛け。一番大切なのは、物語そのもの。
といってもまあ、B級映画ですからね!僕自身の大学卒業と重なっていることや「ラストメモリー」というタイトルから、ストレートな青春ドラマを想像した人たちを鼻で笑い飛ばすようなナンセンス不条理劇です。何が幸せで、何が不幸なのか?知らないよ。ただ○○○を出したかっただけだもん。
(2009年/DV/47分)
第12回京都国際学生映画祭 入選