あらすじ

 高校3年生の佐藤悟司は、夏のある日、自分でいることが嫌になり、自転車に乗って家を飛び出した。そして、たどり着いた見知らぬ町で、偶然道ですれ違った紗知という同い年の高校生から「章太郎」という赤の他人に間違われる。
 その章太郎は紗知の彼氏であり、高校生バンド「パッサーズバイ」のボーカルだったが、3ヶ月前に自殺していた。ショックのあまり現実を受け入れられなくなっている紗知は通りすがりの悟司を章太郎だと思い込み、成り行きから悟司は章太郎として過ごすことになる…。 

作品解説

 大学に入って、初めて作った長編作品です。そして未だ最長記録!!(破る日が来る気がしない)
 規模の大きさに振り回されて力を出し切れなかった部分もありましたが、本当に、いい勉強になりました。

 脚本は高校生の頃に書いたものをほぼそのまま使いました。「青春の終わり」や「過ぎ去っていく時間と人」というテーマに対して、高校生の頃に感じていたことをそのまま残したい、と考えてのことだったのですが、今思えば、やはり多少の手直しはあったほうがよかったのかなと思います。いくつかの不自然な点を「思い入れ」や「個性」という言葉で言い訳していた部分があったなーと反省しています。

  ただ、やっぱり今の自分には絶対に出せない切なさとか眩しさとか絶望とかがあるお話だし、物語の題材自体は思い返してもなかなか面白いと思います。「本気リメイク」したら意外と大傑作になるんじゃないかなあ。したいなあ。

(2007年/DV/157分)